プロダクト推進室の渡邊です。
先日2日間に渡って実施されたProduct Manager Conference 2017の1日目のレポートをお送りします。
Product Manager Conference 2017
http://2017.pmconf.jp/
Product Manager Conferenceとは?
日本におけるプロダクトマネジメントに関わる人やそれを目指す人が集うカンファレンス。
昨年に続き今年で二回目となり、定員300名に対しキャンセル待ちが200名を超えるなど、
年々、注目度の高まっているカンファレンスになります。(最終的に定員450名まで増員)
今回は参加した講演の簡単なレポートやカンファレンスの雰囲気をお伝えします。
基調講演
なぜ今プロダクトマネジメントか
齊藤 満 氏/楽天株式会社 Senior Manager
マイクロソフトでWindowsやInternetExplorerなどにも携わっていたという、楽天トラベル齊藤氏のセッション。 プロダクトマネージャーとは、会社やチームによりけりで、これだと定義することは難しい、としながらも、過去のご自身の経験から 複数の切り口で必要な要素を紹介されていました。その中でも、「Generalize」、「Communication Skill」、「Decision Making」の3要素に分けての紹介が印象的でした。
トークン・エコノミー時代のプロダクト設計
宇野 雅晴 氏/Omise Japan株式会社 Business Development Manager
聞き馴染みのある言葉から丁寧に解説いただき、背景についての共通認識を持った上で、これらの技術トレンドをプロダクトマネージャーはどう活かすのか、という問いかけをしていただいたセッションでした。 サービスに閉じない経済圏において、どのような報酬設計を行い価値を流通させるのかなど、これからのプロダクトの潮流を読み解く上で非常に勉強になるお話でした。
プロダクトマネージャートークセッション
楽天、メルカリ、Line、CyberAgent各社のプロダクトマネージャーが参加し、 実行委員の一人でもある及川さんの進行のもと、パネルディスカッションが行われました。 セッションは"sli.do"というサービスを使って、来場者から質問を募りながら進行しました。 「プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違いは?」「プロダクトマネージャーと事業責任者の分担は?」といった よくある質問から、各社でプロダクトマネージャーに求めるものや育成方法が寄せられていました。 共通点のある回答はありつつも、各社で特徴的な回答もありました。 また、現場で困った具体事例について、あなたならどう解消しますか?、といった質問も出ており、各社での過去の事例など交えてお話しされていました。
プロダクトマネージャーに経営者が期待するもの
佐藤 裕介 氏/株式会社フリークアウト・ホールディングス 代表取締役社長
フリークアウトの佐藤氏が登壇。経営という立場から、プロダクトマネージャーに求められる事項をお話しされていました。 ごく一部の例外を除き、プロダクトバリューの変化はいとわないことの重要性を説明されていました。 実際にフリークアウトでも、過去7年に4度もプロダクトバリューを変化させている、ということでした。 "技術、ユーザー、市場構造の変化を察知し、チームが納得するかたちでこれを取り入れていく"旨をお話しされていました。
IoT、ビッグデータ、人工知能によるユーザー理解を通じたプロダクト開発
岡田 陽介 氏/株式会社ABEJA 代表取締役CEO
人工知能をプロダクト開発にどう盛り込んでいくべきか、そもそも人工知能の開発に必要なことは何なのかを分かりやすくお話いただいたセッションでした。 Speeeでも機械学習が機能の一つになっているプロダクトもあるので、プロダクトマネージャーがどこまで理解して意思決定をすべきか、どの点で悩むポイントがあるのか、逆に悩む必要のないポイントがどこなのか、一つの基準を示してくださっていた点が今後の指針として参考になりそうです。 また、人工知能を通して精度の高いユーザ理解を行うことができる一方で、どのスピード感で/どこまでの精度で人工知能を活用するかという点を決めるのはプロダクトマネージャーであるというお言葉が印象的でした。 かなり整理して話してくださったので、ディープラーニングに携わっていない方でも、どう開発プロセスに落とすかというイメージが湧きやすかったのではないかと思います。
Salesforceで行われているプロダクトマネジメント
浅田 慎二 氏/株式会社セールスフォース・ドットコム セールスフォース・ベンチャーズ 日本代表
Ken Wakamatsu 氏/株式会社セールスフォース・ドットコム
前半は全世界でSaasへの投資を行うVCとしてプロダクトを見る視点について、後半はSalesforceのUSにてプロダクトマネージャーを担っていらっしゃるWakamatsu氏から、USでの開発プロセスや開発チームの役割についてのお話でした。 Salesforceは400もの開発チームが存在しており、年3回のリリースタイミングでは300程度の機能がリリースされるとのこと。 年3回のリリースに向けてサイクルをシステマチックに回す仕組みを整備したり、バグ数を常時観測したりしている一方で、現場ではアジャイルで柔軟に改善しながら開発を行っており、 この仕組みを意味のあるものとして実行出来ていることに感銘を受けました。
メルカリUKにおけるプロダクトマネジメント
木下 慶 氏/株式会社メルカリ
メルカリUKにおける開発スタイル・開発プロセスについて、 使用しているツールとその活用方法や、海外のユーザに受け入れられるプロダクトを作るために行っていることなども交えてお話がありました。 自分とはバックグラウンドの大きく異なるユーザを理解するために、ユーザテストや街頭インタビューを重点的に行ったり、 街に出てあらゆるモノ・コトを観察したり実際のサービスを使ってみたりと、様々な手段でユーザやマーケットを理解しようと試みていらっしゃり、 プロダクトが海外向けであろうとなかろうときちんと意識的に行うべきだなと改めて感じました。
開発チームが安定したプロダクトマネジメントを実現するための7つのルール
御代田 亮平 氏/LINE株式会社
タイトルの通り、開発チームの7つのルールを用いたプロダクトマネジメントについてのお話。「ownership」や「3つの数字の最大化」など、頭に残りやすい言葉をルールとし、目標達成のためのチームの仕組みを作り上げる考え方は自社のプロダクト開発にも活かせると感じました。中でも「PM=PartyManager」という話が個人的にはとても印象に残っています。
ネットワーキングタイム
懇親会です。食事とともに様々な人と交流できる時間でした。
ネットワーキングタイムは交流と同時に飛び込みLT大会が開催されます。
1人持ち時間5分で15〜20人の方が飛び込みでLTをされていました。
大変、恐れ多いのですが「元人事広報がプロダクトマネジャーを目指して最初の1ヶ月でやったこと」という題目でお話させていただきました。 発表後、何人かの方にお声がけいただき、こういった機会を通じてコミュニティのあたたかさを感じました。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
その他1:会場の様子
グラフィックレコーディングもありました。
興味のある方はtwitterの#pmconfjp をご覧ください。
お昼はお弁当、疲れの色が出てくる夕方はレッドブルと、
万全のサポート体制で1日中集中してセッションに臨めました。
運営の皆さん、本当にありがとうございます。
その他2:プロダクトマネージャーの略称について
トークセッション中に参加者の方を対象にアンケートを取った結果、プロダクトマネージャーの略称はPMになりました。弊社ではPDMと呼んでいたため、見直しが必要となりました・・・!
#pmconfjp でプロダクトマネージャーの略称(呼称)についてアンケートした結果です。46%の支持を受け、PMと呼ぶことが認められました 😉 pic.twitter.com/MwWDDHQm0Z
— 及川卓也 / Takuya Oikawa (@takoratta) 2017年11月14日
Speeeもブーススポンサーとして参加しました
Speeeではコーヒーとクッキーを用意しました。
LTにて告知をさせてもらったこともあり、多くの方が遊びに来てくださいました。
speeeではブースでコーヒー(アイス)を少しだけ用意しています。休憩がてらお越しください!☕️ #pmconfjp pic.twitter.com/RrWVmSZFzs
— Speee Developer team (@speee_pr) 2017年11月14日
以上、Product Manager Conference 2017の1日目のレポートでした。
繰り返しになりますが、登壇者、運営の皆さん、素敵な場を用意していただき、ありがとうございました。