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大学で学んだ数学的思考がいまの仕事につながってる話

この記事は、Speee Advent Calendar 12日目の記事です。昨日の記事はこちら tech.speee.jp


デジタルトランスフォーメーション事業本部 イエウール事業部PdMの酒井(@ryo_touch)です。


最近、大学の時に受けた講義内容などを復習することにハマっています。
今日は、大学での学びは、自分次第でどこに行っても繋げられるということをわたしの体験からお伝えしたいと思います。


大学(院)での学びを直接的に活かすべきか悩んでいる理系学生のみなさんの、進路の意思決定の一助となれば幸いです。

いまどんな仕事をしているか

わたしは新卒でSpeeeに入社して、入社してからはプロダクトマネージャーとして不動産領域のDXプロダクトに携わっています。
プロダクトの集客施策を企画・リリースに向けて開発ディレクションをしたり、新規事業の立ち上げに際して企画を考えたりといった、企画寄りにプロダクトを良くしてエンドユーザに最良の顧客体験を届けることを考えて日々事業責任者、エンジニア、デザイナといった方々とチームになって働いています。

大学ではなにをしていたか

大学では物理・工学を勉強していました。
制御工学、物性物理、量子力学、電磁気学、電気電子回路、etc.あたりを勉強していました。特に面白かったのは制御工学です。
もともと数学が好きで、大学ではその面白さが物理で現れていました。


院に行くか迷っていて、「知ることへの好奇心はあるけど研究は向いてないな」と思って学部で卒業することにしました。
数年間教育系スタートアップでインターンをしており、そこでの体験からビジネスや事業づくりって面白いな〜と感じていたため、就活してSpeeeに入社しました(いわゆる文系就職)。


大学で学んだことが直接的に関係する仕事ではないため、「本当にいいんだっけ?」という不安や、両親への申し訳なさも少なからずありました。
ただ自分自身、高校の時から「大学行くならそこでの学びを活かすような仕事をする」と決めていたので、「なにかしらで学びをつなげる」という気持ちで仕事をすることで選択を正解にしようとしていました。

大学で学んだことと仕事をつなげて解釈し始められた

入社してもうすぐ2年が経とうとしていますが、「大学での学びを活かす」ということができ始めています。
一つひとつの事例はとても小さな話ですが、ビジネスというこれまで経験のなかった領域をこれまで学んできた物理の領域で解釈することができるときがあります。まっさらな状態からよりも深く理解・解釈できるようになっている感覚があります。
同時に、学びと仕事が結びついていくことで仕事が楽しくなっていくという嬉しさもありました。


それでは、実際によく考えている数学的思考をいくつか紹介します。

「入力と出力と関数」の考え方がよかった

入力 x の全ての要素に対し,その要素を入力すると,出力 y の特定の要素をただ一つ出力するものを関数 f(x)という、お馴染みの関数です。

入出力システム図
関数 y = f(x) の入出力システム図


プロダクト開発をするにあたって、「どんな情報を収集し、利活用するか」は重要な視点です。
出したい出力 yは何か?それを実現するための関数 f(x)と入力 xは何か?入力 xはどのようにして準備するか?みたいなことを考えています。

例えば、ユーザが見る画面とその管理画面は情報の出力と入力と考えて、ユーザに見せたい画面(出力)に必要な情報を用意しないといけないな、といった頭の使い方ができるようになりました。

入出力システム
入出力システムの考え方



余談ですが、「アオアシ」作者の小林有吾先生の作品「フェルマーの料理」でも、関数の考え方を料理に当てています。この例えは料理する方にはニュアンス伝わるんじゃないかと思います。

alu.jp

フィードバック制御がよかった①

「フィードバック」という言葉自体は、普段の仕事で毎日のように使っている言葉だと思います。
制御工学のなかでフィードバック制御という分野を勉強しました。フィードバックというものを物理の世界で表現するとこういうことなのか!という気付きが大きかったです。

フィードバック回路図
伝達関数 G(s)のフィードバック回路のブロック線図


目標値に向かって差分を返し続ける。というシンプルな構造で、だからこそフィードバックを受け取る・渡すときは目標値を意識するようになりました。
「これじゃ〇〇に対して足りていないです」という表現でフィードバックするように意識するようになり、闇雲に打ち返されているような感覚をなくすことが出来ました

フィードバック制御がよかった②

グラフのような、目標値を青破線(1.0)としているシステムに対して 目標値を超えたり下回ったりしながら(振動しながら)目標値に近づいていくグラフと、目標値を超えずに滑らかに目標値に近づくグラフがあります。

例えるならば、車の運転で50kmで走ろうとしているときに、
50kmを超えたらブレーキを踏んで、下回ったらアクセルを踏んで..を繰り返すようなグラフと、
50kmを超えないように慎重にアクセルを踏んでいくようなグラフです。

2次遅れ系のステップ応答
目標値への道筋がグラフの形のように異なる

わたしは完璧主義的なところがあり、頭ではわかっていても完璧なものを1回で出そうとしてしまいがちです。けれどこのグラフを見ながら、「いい施策を作るためには早く小さく、6割くらいでもアウトプットしてユーザや仲間からフィードバックをもらう」ということが大事なんだな、と腹落ちしました。
MVP(Minimum Viable Product)の価値仮説を早く検証することが大事だよね、という考えもここにつながっていると感じました。

大学行ってよかった、仕事楽しい

ここまで、いくつかの数学的思考と仕事の接続を紹介させていただきました。
抽象的なモデルを扱う物理・数学の学問だからこそ、接続しやすさがあると思います。


全体的に数学などの問題を解いていて良かったなと感じる点は、「何があれば解けそうか」という解への道筋を考えるという思考体験です。
事業づくりは解き方の分からない・正解のない領域ですが、そんな曖昧な中でも自分の回答をつくるために思考をする必要があります。その思考体力や感覚は、間違いなく大学までの勉強に詰まっていたと思います。


一つひとつの接続による発見は大小によらずとてもワクワクする発見で、どんどんと仕事が楽しくなっていきました。
大学時代までの学びは忘却していくために発見の機会損失をしているだろうと考えると、もっと勉強もしていきたいと思っています。

おわりに

学んでいることは無駄にならず、これからの社会人生活にもプラスになります。 「みんな数学を学ぼうぜ!」ではなく「大学での学びは、自分次第でどこに行っても繋げられる」という記事でした。
大学での学びを直接的に活かすべきか悩んでいる理系学生のみなさんの、進路の意思決定の一助となれば幸いです。


「数学的思考はビジネスのためにある」

alu.jp


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