※この記事は、2022 Speee Advent Calendar7日目の記事です。 昨日の記事はこちら。
みなさんこんにちは。イエウール・ビジネスコンサルタントの椎木陸斗(@rikus1023)です。2021年4月に新卒で入社し、現在はイエウールに加盟いただいている不動産会社様の成果創出支援を担当しています。
普段はビジネスコンサルタントとして働く傍ら、1年ほどかけてBigQueryを活用した提案のアップデートも行っており、最近は各所で徐々にいい事例が生まれてきました。データ活用をチームや組織(特に営業)に浸透させる過程には難所が多かったなと感じています。改めて振り返ってみると大事なポイントを経てきた感覚もあったため、1年の締めくくりとしてそれらをまとめたいと思います。
私と同じように「チームのデータ活用を推進したい!」という方や「営業組織でデータ活用していく方法がわからない」という方の参考になったら嬉しいです。
今の私たちがやっていること
簡単にイエウールの概要・イエウールにおけるビジネスコンサルタントの役回りを説明します。イエウールは「デジタルで快適な売却体験を提供する」というビジョンを掲げ、中古不動産売却を検討している方と不動産会社をつなぐマッチングサービスを運営しています。2014年12月にサービスを開始し、月間約2万名を超えるユーザーにご利用いただいており、これまでのリアル集客では出会えなかったユーザーと早期からやりとりができることを価値としています。
その中で、私たちビジネスコンサルタントは「デジタルで快適な売却体験を提供する」ために、ネット普及以前のチラシ主体の方法ではない形で集客された、ユーザー層が全く異なるエンドユーザーへの対応に上手く適応いただくための支援を行っています。そのためには「単にイエウールで成果が出ているか」という定点観測的なやりとりではなく、これまで約8年にわたって蓄積してきたノウハウを市況・競合情報等と共に伝えることや、新たな組織体制の提案など経営観点でのやり取りができるパートナーであることが求められています。
どんな状況だったのか
私が配属された当初、チーム内には既にパートナーとしてある程度顧客の期待に応えられるような知見やデータ、提案パターンは多く蓄積されていました。また、チームの先輩方がそこから多くのことを解釈して、独自の提案で顧客からより大きな期待をいただける姿も目にしており「このままでも充分立派な成果創出支援ができる組織だな」と思うことも多くありました。
ただ一方で、チームはデータの活用に対してはまだまだ腰が重い状況でした。データベースから情報を取得するときは「社内管理ツール」か「Redash」のどちらかを使うのがスタンダードでしたが、社内管理ツールに載っている情報はあくまで「管理」が目的になっています。そのため、どうしてもデータを使うときは時間をかけてデータを取得したり、SQLを書けるエンジニアや他チームのメンバーに依頼したりと、日常的に・気軽にデータを使うことはできませんでした。ゆえに、人によってはデータを使うしそうでない人は使わない、という「やったほうがよさそうだけど、手を付けられていない」状況でした。
そこから1年半の時を経た今現在、私たちのチームはBigQueryの活用を主としたデータ活用がスタンダードになっています。データを使いこなしていなかったかつてのチームが、何をどう突破したことでこの変化を起こせたかを3つのポイントで整理したいと思います。
営業組織のデータ活用推進で必要なこと
①目的を明確にする
これはビジネスにおいて当然のことになりますが、データ活用を進めるためにはBigQueryやRedashのようなツールが必要だったり、そういったツールのメンテナンスが必要だったり、全員が使えるような枠組みを整えたり、多方面で相当なコストがかかります(経費的にもですが、人的リソースみたいな意味でも)。これがデータ活用に対して周囲(特に営業組織)の腰が重たい根本的な理由だと感じています。
そのため、私の今回の事例で言えば「どういう提案や支援がなぜ必要で、それが顧客と自社の成果につながるのか?」という目的が明確になっている必要があると考えています。そういった道標が明確にないと、取り組み始めても長続きしなかったり、結局データも活用されない上にコストだけがかかる、という負のサイクルに突入してしまいます。
私自身、配属当初は目的に対する理解度が低い状態でした。そんな中で「なんとなくデータは活用したほうがいい!」と言ったとしても思い付きのアイディアです。チームに浸透させるために周囲を動かすことはおろか、何なら自分すらも長続きしなかったかもしれないと思います。データは活用したほうがいいという嗅覚は大事にしつつ、まずは自分たちのチームがどのように顧客に価値提供をしているか?より良くする余地がどこにありそうか?という、今のチームが行っていることを理解し、チームの掲げている目的や価値提供の理想像を本気で理解しにいくことが大事だなと思っています(私にとってそれは、シンプルに上長・顧客との会話量を増やすことでした)。
②手段として適切なのかを小さく検証する
私自身はSQLを多少かじっていたため、好奇心もあって最初は「まずは一人でやってみる」を試していたのですが、これも上手くいったポイントの一つだと思っています。 前述の通りコストが高いため「いきなり全員でやろうぜ!」というのはあまりおすすめできません。 もしこれをいきなり始めてしまった場合、私はおそらく「SQLでデータを出してくれ」という依頼を捌くことに必死で、本当にそれが顧客や自社の成果に繋がるのかを、顧客と向き合い実証していくという過程を経ることはできていなかったと思います(詳細は次項でお話しします)。
自身の手で小さく検証し続けられたことで、データ活用という手段が顧客や自社の成果につながるという確信を得ることができましたし、逆に言えば検証する中で成果につながる感触がなければ、その時点で辞めていたと思います。
私にとってこの「感触」とは、データを解釈し・提案することで顧客からいただく「知らなかった」「すごくクリアになった」という声でした。
そして、そういった顧客の声がチームにも認識されてくるなかで、自然と波紋が広がるようにチームで「私もやりたい・やってみたい」と前のめりに向き合ってくれるメンバーが増えてきました。
このように、まずは小さく始めて、徐々に大きくしていく(なっていく)というのが非常に重要だと感じています。
③チームに合わせた最適化~実装
前述の通り、チームや組織として目的がセットされ、データ活用が手段として成果につながることがわかれば、周囲のメンバーも「え!おれも!わたしも!」と乗ってきてくれます。 もちろん、メンバーの経験値や組織の成熟度等によって多少の差はあると思いますが、大抵のことは「目的と手段のセット」で何とかなりますし、あとはどれだけデータ活用に疎いメンバーであっても直感的に使いこなせる仕組みにできれば上手くいくはずです。
また、データ活用を推進する側としては、どれだけ使いこなしてもらえるかという「実装」まで責任を持つことも重要です。いくら価値のあるデータが出せても、見にくかったり、重すぎたり、どう使うかがわからなかったり、、といった問題を抱えたままでは使われないまま終わります。
この部分で私は、そのラストワンマイルの感覚を小さく検証できたからこそ理解していて、そこに拘りきった実装ができたという点がよかったと思っています。
BigQueryが今のチームにフィットし・活用されているのは、普段使っているスプレッドシートで必要なデータが綺麗な形で見れたり、マクロをかませて誰でもボタン一つで・10秒でデータが出せたり、その存在目的が明確で・インパクトのあった事例がチームのSlackチャンネルで飛び交っていたりするためだと思います(使われすぎてシートの愛称すら付いているほどです)。
まとめ
1年の締めくくりとしてこの機に振り返ってみましたが、私自身「データ活用を推進してやる!」という気持ちで意図してやれた部分は多くはないものの、学びが多くあった取り組みだったと感じています。 特に、最初から周りを巻き込みすぎず、きちんと成果を出せることを実証していく、という部分はすごくしんどさもありましたが、やりきってよかったなと強く思います(きっと上長もそういった意図をもって当時色々なFBをくれていた気がします)。
Speeeでは、スキルコレクトに固執するのではなく、自分らしく突き抜けた成果を出しましょうという意味合いで「圧倒的なサンプル1」になりましょう、という話がよく使われます。営業としてはまだまだ磨くべき部分が多かったり、SQLを専門的にスラスラかけるわけではなかったりしますが、顧客に向き合いながら泥臭くやれることをやっていたら、少しはユニークなサンプル1になれたのかな、と思ったりもしている今日この頃です。今回ご紹介したような事例を皮切りに自身や自社、顧客の成果に向き合い続けてアップデートを重ね、もっと圧倒的なサンプル1になれるように邁進していきます。
さいごに
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