Speeeは10月から創業9期目に突入しました。
前期を振り返ってみると、開発組織の改革に着手したことは大きな変化でした。
ちょうど昨年の年末ぐらいから経営陣と開発部が一緒に現状の課題を洗い出し、半年間にわたってあるべき姿を議論をし、未来のSpeeeの技術のあり方を考えた期でした。
なぜ開発組織を改革しようと思ったのか?
SpeeeはいままでWebマーケティング事業やメディア事業を手掛け、事業会社として、営業力・分析力・組織力を強みに成長を続けてきました。
現在の状態でもいまのスピード感で開発をすすめるだけの技術力もあったと思います。
ですが、このままのスピード感で成長をしていくのはSpeeeとして理想・あるべき姿ではなく、既存の延長線上にない非連続的な成長をするためには開発組織にもイノベーションが生まれなければならない、そう考えていました。
『IT企業を名乗っている以上、技術力は必要不可欠なものであり、いまの延長線の技術力では、Speeeのビジョンである"世界の進化"に貢献することは到底できない。』
それが経営陣が感じていた課題であり、いちエンジニアとしても感じていた事でした。
エンジニア自らがもっと自走しなければならないし、エンジニアだけなくデザイナーやディレクターも一緒になって"モノづくり文化"を風土として創りあげることが必要。
そういう強い想いを現実とし、「テクノロジーカンパニーとしてのSpeeeを目指していく」という組織としての意志決定に繋がり、開発組織の改革を始動しました。
具体的になにをしていったのか?
今回、開発組織改革において大きく3つのことを行いました。
①スペシャリスト制度の導入と評価制度の刷新
昨今は様々な技術やアーキテクチャが生まれていて、フロントエンドやネイティブなどその幅も広がってきており、それらを高いレベルでフルスタックにこなすことは難しくなってきています。
少なくともSpeeeのような事業会社で規模感も大きくなってくると、より高度かつ洗練された技術力を持ったエンジニアが今後必要になってくることは間違いありません。
そこで特定分野の技術に特化した"スペシャリスト"というキャリアを設け、サーバサイド開発やネイティブ開発といったところでの特定分野に特化したエンジニアが、事業部横断的に全社に関わる技術方針を決め、水準を引き上げる役割を担うことを定めました。
②開発言語をPHP、JavaからRuby+Go、Scalaへ
Speeeでは創業時から長らくPHPとJavaを中心とした開発をしてきていました。
ですが、今回はRubyをメイン言語としてフレームワークはRailsの採用を決断しました。
これは事業にをより加速させるにあたって、Railsを選択することにより以下の理由から開発スピード、品質が担保されるという考え方からきています。
・規約・ルールが整備されている
・周辺のエコシステムに透明性がある
・コミュニティの質が上がり続けている
また社内のエンジニアもRubyを書きたいメンバーが多く、そのエコシステムに自分たちが入り込み、OSSに貢献することにチャレンジしていきたい、という想いがあったことも影響しています。
ただしRubyしかやらないという選択ではなく、アドテク領域や一部ではGoやScalaといった言語も採用し、適材適所で新しい言語やフレームワークも取り入れていく柔軟な方針をとっています。
また言語をただ変えるだけではなく開発組織としてあるべき姿、あるべき文化を醸成させることが重要だと考えています。
なので当然テストコードを書く、コードレビューするといったことを徹底するようにもしています。
現在はまだまだ満足いくレベルではなく、スコープや粒度・基準をどう最適にフィットさせ開発スピードやクオリティを上げることを模索している段階です。
Speeeの場合はさまざまな事業があり、事業に紐づく形でエンジニアが開発をしているので、それぞれの事業特性や開発目的を理解する観点も加えて、部署を横断してレビューするといった"クロスレビュー"といった取り組みをはじめ、事業会社ならではの開発文化を創ることにもチャレンジしています。
③技術顧問にまつもとゆきひろさん、開発部顧問に井原正博さんが就任
こちらのプレスリリースでも触れている通り、2名の顧問に就任いただきました。
[プレスリリース] Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏、元クックパッド技術部長の井原正博氏がSpeeeの顧問に就任いたしました。
技術顧問として参画いただいているRubyの父であるまつもとさんは、僕達エンジニアに知見と経験をくれる存在としてとても大きく寄与してくれています。
質問会という形で直接対話する機会もいただき、まつもとさん自身の経験や技術的な考え方を聞くこともでき、僕らがエンジニアとしてどうあるべきかを基準を上げ、指針となってくれている存在です。
世界でも最高レベルのエンジニアであるまつもとさんの考えに触れられることは、個々の成長としてとても貴重な機会をいただいていると思います。
開発部顧問として参画いただいている井原さんは、前職ではクックパッドの技術部長をされていて、クックパッドをRubyの会社として組織を創りあげた実績を持つ方で、その経験は僕らの考えを根本から変えるキッカケを与え続けてくれています。
現在は週3回会社に常駐していただいて、技術的な質問や組織的な相談、その他気軽な質問に関してもすぐに乗ってくれ、それ以外の時間でもコードレビューをしていただいたり、Slack上で質問をするとすぐにレスをくれたりと、技術的・組織的なアドバイザーとして、ときにはエンジニアの先輩として、僕らを支えてくれています。
また定期的に行われているエンジニアMTGでは井原さんによる勉強会もあり、Speeeの開発部が文化をつくるにあたって必要なことを教えてくれています。
これからのSpeee
Speeeは10月から創業から9期目に入りました。
その中で開発部は8期目に革新が起こったばかりで、9期はまだまだチャレンジをしていく期だと捉えています。
どんなに素晴らしいことを考えていても、実行しきれなければ意味はなく、また小さく収まってしまうのも、今回やったことすべてを無にする行為。
そうならないためには、今期はより大胆にチャレンジしていく必要があります。
『僕たちはRubyで日本一の事業会社を目指し、テクノロジーカンパニーを目指していく』
そのために乗り越えるべき課題がまだまだあり、試行錯誤しながらチャレンジをし続けなければいけない状況ですが、経営陣を含め会社全体を巻き込みながらまつもとさんと井原さんの力も借りて、エンジニアひとりひとりが成長し個力をあげ、組織を変革させていくことを目指します。
改めてこういうチャレンジができることがベンチャーでありIT業界にいるエンジニアの醍醐味である。 そう思います。
このチャレンジに興味ある!と思った方は、ぜひSpeeeに遊びに来てください^^
またスプラトゥーンの対戦相手も募集しております!