秋の「東京ラーメンショー」が待ち遠しくて仕方ない「ラーメンマン」です。
皆さんはスマートフォンアプリでプッシュ通知がやたら飛んでくるのをご存知ですよね?
あれウザいですか?ウザがらないでください。
でも作り方間違えると間違いなく確かにウザいです。ぼくもいらないものは速攻offにしちゃいます。
ところが、サービスを運用しているとわかるのですが、プッシュ通知を飛ばした瞬間、一気にユーザがアプリに再起してきます。
つまりそれだけ効くということです。
最近のサービスは、いつでも持ち歩くスマートフォンの特性上、ユーザサイクルが速く、リアルタイム性を求められるものが増えてきました。
また、イベント運用なんかやっていると、「この時間にユーザに来て欲しい!」というときに通知してログインしてもらえるのは、運用観点で見ると非常に嬉しい現象です。
ところが、色んなアプリを見ていると、意外とプッシュ通知のメリットを最大限享受できているものは少ないと思います。
あえて今回はサブ機能になりがちなプッシュ通知にフォーカスを当てて、やるならとことんこだわってみようというコンセプトで書いてみることにします。
プッシュ通知とは?
言わずもがな、ユーザーがスマートフォンアプリを起動していなくとも、iPhone・Android端末へ通知を送る便利な仕組みのことです。
プッシュ通知のメリットとは?
プッシュ通知が最大限機能するとどんないいことがあるか?
発揮できる効果としてはこんなところです。
リアルタイムな情報伝達ができる
即時にユーザに新着情報や更新情報を通知できます。
ユーザがすぐに受け取って自然に目にするという点で、メルマガよりもより遥かに効果的です。
ユーザの再起を促すことができる
プッシュ通知を受け取った際に、ユーザが内容に興味を持てばアプリにログインします。
特に、まだログインが習慣付けできてないサービス初期段階では、ガイドライン的な役割を果たすのにも有効です。
ユーザのアクセスを習慣化することができる
プッシュ通知を毎日受け取ることによって、「プッシュ通知を受け取る→それを見てログインする」という行動習慣を植え付けることができます。
結果、これが継続率の向上につながります。
参考データですが、プッシュ通知を活用して6ヶ月後継続率を13%→25%に上昇させられる事例もあるようです。
6ヶ月後継続率が劇的に向上した事例
ちなみにこの3点で、一番重要な点はどれでしょう。
私は、1点目の「リアルタイムな情報伝達」だと考えます。
プッシュ通知自体をウザいものにしないためには、実はこのメリットを活かすことが一番本質的です。
何故かと言うと、ユーザにとって、お気に入りのアプリの新着情報を、アプリを開かずとも教えてくれるのは、本来非常に便利なことだからです。
ただし、ユーザが知りたくない情報や、知りたくないタイミングで通知が来るとウザくなってしまいます。
便利なものになるか、ウザいものになるかは運用方法次第と言えます。
プッシュ通知におけるiOSとAndroidの特性
プッシュ通知を有効活用する前に、iOSとAndroidでの仕組みの違いについて理解しておきましょう。
色々あるのですが、重要な点は以下の通りです。
Androidは自由度が高い
iOSはOSの仕組みに完全に乗らなければいけないのに対して、Androidは自由度が高く各自の実装に委ねられています。
具体的に言うと、iOSのAPNSは送信するデータの形式もしっかり決まっていて、その形式にしたがって送信すれば、後はOSが定めた方法で表示されるだけです。
一方、Android送信データは完全に自由で、それを受信した際にアプリがどんな動作をするかも、制限されていません。
つまり、Androidのほうが通知方法や通知時の挙動について、様々な仕様を盛り込むことができます。
どちらも事前にユーザの許可を取る必要がある
iOS,Androidとも、どちらも事前にユーザの許可を取る必要があります。
ユーザの許可なしにプッシュ通知を送ることができないというのは、非常に重要な点で、後述しますが、「どうやったら許諾してもらえるか」ということに知恵を使う必要があります。
ちなみに、許諾の方式がiOS,Androidでは異なっていて、
・iOS:アプリ起動時のダイアログによる確認
・Android:DL時のパーミッション(Androidはこれをユーザが許可しない場合、そもそもアプリのDLができない)
となっています。
方式としては、iOSのほうがユーザが許可する可能性が低くなるので、iOS実装の際は許可してもらえるフローを猛烈に考えましょう(コツは後述します)。
Androidは端末の設定から通知を解除できない
iOSは端末の通知設定から受信の解除ができますが、Androidでは端末の設定から通知を解除できません。
ですので、アプリ側で通知を解除できるように実装する必要があります。
送信可能文字数が全然違う
以下の通り、Androidのほうが大量のテキストを送信できます。
- iOS:256byte
<li>Android:タイトルとメッセージを合わせて4096byte以内</li>
プッシュ通知に向いている通知とは?
プッシュ通知はあらゆる内容を通知することができますが、やはり特性上向いている通知と向いていない通知があると思います。
向いていない通知がダメというわけではないですが、どうしても開封率は低くなってしまうと思います。
それではどういう通知が向いているのでしょうか。以下に記載します。
プッシュ通知に向いている通知
1日1回~数回発生することで、アプリへのアクセスを習慣付けできる内容
例:「ログインボーナスがもらえます」「朝のニュースが届いています」
ユーザが忘れそうなことを教えてあげる内容 例:「体力が回復しました」「19時からギルドバトルイベントの開始です」
ユーザ固有の通知をする内容
例:「今あなたにオススメの商品が届いています」
他ユーザとの交流に関わる内容
例:「今あなたにメッセージが来ています」
今知っとかないと取り逃すキャンペーンやプレゼント
例:「期間限定セール開催中です」
プッシュ通知に向いていない通知
全ユーザに確実に伝達すべき内容
例:「障害が発生中です」「サービスが一時停止中です」
あまり意味のない内容
例:「本日もこのアプリをよろしくお願いします」「おはようございます!」
1日に何十通も配信しなければいけない内容
例:「10時の天気です」「11時の天気です」「12時の天気です」
プッシュ通知に関するKPI向上方法
プッシュ通知を有効活用するためには、「開封ユーザ数」をいかに増やすかが重要です。
また、開封ユーザ数は「プッシュ通知の許諾率」✕「開封率」で決まります。
ここでは、許諾率と開封率を上げる方法について考えてみます。
許諾率を上げるために
通常、プッシュ通知の許諾率は30~50%と言われています。
アプリによってもかなり差があるようですが、一体このKPIはどうやったら向上できるのか考えてみたいと思います。
iOSの場合は、アプリ起動後の確認になるのですが、ここでいきなり何も説明せず「プッシュ通知のon/off選択」を要求されるアプリが多いように思えます。
しかしながら、この文脈だと、ユーザ観点では許諾する理由があまり見当たりません。
せっかくならアプリをやりたいというモチベーションが高まった瞬間や、本当に通知が欲しいと思った瞬間にダイアログを出したいところです。
そこで以下のやり方はいかがでしょう。
1.チュートリアルの途中でダイアログを出す
チュートリアルがあるアプリであれば、何らかのストーリーでプッシュ通知のメリットを説明した後に、ダイアログを出すと良いのではないでしょうか。
例えば、チュートリアルの最後に「プッシュ通知をonにすると、最新情報をいち早く受け取れるよ!」という説明をした後にダイアログを出すという方法です。
2.アプリ内の通知設定画面でダイアログを出す
クックパッドのアプリが取り入れている方法ですが、アプリ内の通知設定画面でダイアログを出すという方法もあります。
この方法だと、ユーザがこの画面に辿り着くまではプッシュ通知を全く送れなくなるのですが、一旦辿り着くと確実に許諾してもらえると思います。
3.一度許諾されなくても諦めない
仮に起動時に許諾されなくても、アプリを使ってもらって気に入ってもらえば、その段階で許諾してもらうことも考えられます。
ただし、多くのユーザは端末の設定画面から設定変更できることを知らない可能性があるために、以下の事例のようにヘルプ等に詳しく記載すると良いと思います。
開封率を上げるために
プッシュ通知が来ていてもスルーするという方も多いのではないでしょうか。
ユーザも多くのアプリをインストールしている中、確実にプッシュ通知を開封してもらうのにはコツがいります。
1.ユーザのアクティブな時間に送る
プッシュ通知は送信タイミングが重要です。
ユーザのアクティブな時間は、主に朝7-8時、昼12-13時、夜19時-22時です。
この時間にプッシュ通知を送ると開封率が高くなります。
2.送信頻度を控えめにする 1日に何十通もプッシュ通知が来るとユーザが拒否反応を示してしまいます。
また、そもそも何十通も送る情報というのは、さほど重要ではない情報と認識されてしまいます。
理想は1日3回程度ではないでしょうか。
3.メッセージを目立たせる メッセージの内容を目に留まるものにすることも重要です。
毎日同じ固定文言を送るのではなく、可能な限り文言を変えて、興味をひく内容にしていきましょう。
また、絵文字・画像付き・リッチプッシュを活用して、第一印象で目立つようにするのも効果的です。
4.メッセージをユーザの受け取りたいものだけに設定変更できるようにする
プッシュ通知の特性上、全体配信をしているとどうしても特定のユーザにとってはどうでもいい情報も送らざるを得ないことがあります。そうすると、段々とプッシュ通知が開封されなくなってきてしまいます。
そこで、アプリ内の設定で、ユーザの好みで受信するメッセージを変えられるにしてはどうでしょうか。
以下がそういったことを行っているアプリの事例です。
5.開封後のランディングページをメッセージと合う場所にする
開封後のランディングページをメッセージよって変えてあげると、ユーザにとっては非常に便利な機能になり、開封意欲が高まります。
メッセージがショートカット代わりになるので、ユーザも何について通知されているのか迷う必要がありません。
プッシュ通知導入における便利なサービス
最後にプッシュ通知の導入にあたって便利なサービスを紹介します。
使うかどうかは皆さん次第ですが、上手く使いつつ、この記事を参考にして、「嫌がられないプッシュ通知」を目指してください!
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