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アナログゲーム印刷屋さん潜入取材

どうも。 巷で話題の裸トマッターこと、まじんです。※1

今回はエンジニアリングから少しはずれて、趣味であるアナログゲームのお話です。

2014年5月某日、友人と共にでボードゲーム・カードゲームの印刷所である萬印堂さんにお邪魔させていただきました。
今回は代表である作道様にお話を伺うことが出来たのでその内容をレポーティングしていきたいと思います。


萬印堂さんについて


世間にはたくさんの印刷屋さんが存在しますが、
その中でもこの萬印堂さんは主にボードーゲームやカードゲームといったアナログゲームを専門に扱う印刷所です。
参照HP:萬印堂HP

萬印堂は王子神谷にある創業から50年以上の老舗印刷所です。
今回ご対応いただいた作道様はアナログゲームとおしゃべりが大好きな、とても気さくなおじさんでした。

小さな工場でしたが実はアナログゲーム印刷界隈のシェアをかなりしめており、
先日行われた、アナログゲーム界の一大イベント、ゲームマーケット2014春では、
新作の30%()既作を含めるとなんと50%(!?)が萬印堂さんで印刷されたゲームだということです。
参照HP:ゲームマーケット公式HP

その作品群の中には、一部(主にニコニコ動画界隈)で有名な「ワンナイト人狼」や

参照HP:ワンナイト人狼

街コロ

参照HP:街コロ

キリスト新聞社推薦カードゲーム「バイブルハンター」など

参照HP:キリスト新聞社
だれでも(?)知っているアナログゲームがたくさんあります。


気になることを色々聞いてみた

 

カードの印刷方式があるの?

現在、カードの印刷方式は「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」の2種類が主流となっており、
それぞれの違いは下記のようなものだそうです。

オフセット方式

  • インク使用
  • 大量ロット時に安価
  • 印刷ズレが起こりにくい

オンデマンド方式

  • 粉トナー使用
  • 少ないロットでも安価
  • オフセットに比べると印刷ズレが起こりやすい

両者の費用分岐点は場合によっては違うがおおよそ300~500ロット程度。
また、萬印堂は両者の間をとった「デジタルオフセット方式」という印刷がメインとのこと。
簡単に言うと液体トナーを使用したオフセット印刷方式ということでした。
特徴としては、小ロットの印刷でも安価でスピーディーに仕上げることが可能。

説明が難しいのでわかりやすく記載してあるサイトを参考として記載しておきます。(丸投げ)
参考URL:デジタルオフセット印刷とは

カードゲームにありがちな色ムラはどうすれば発生しなくなるのか?


[↑参考画像は他社のオンデマンド印刷の色ムラ事例]
色ムラは、デザインや色の濃度に起因して発生するそうです。
色の濃度が300%を超えてしまう場合や、グラデーションなどを使うとムラが発生しやすくなってしまうとのこと。
カードの裏面をデザインするときに上記2点に注意することでかなり予防できます。

カードサイズってどんなのがあるのか?


デフォルトで対応しているのはポーカーサイズとブリッジサイズと言われる2種類。
紙の厚さは標準、厚口、特厚口の3種類。現在、萬印堂さんでは特厚口より厚い極厚に挑戦中とのこと。
更に表面加工としてPP加工や木綿加工などのオプションも付けられます。
ワンナイト人狼のようなチップ系のカードは激厚紙を重ねて加工していると教えてくれました。
また、カードサイズなどは相談してもらえればかなり臨機応変に対応してくれるとのことだったのでオリジナリティ
あふれるカードゲームが作れそうです。
(スリーブに入らないと困りますけどね…)

印刷のズレはどれくらいか?


先述の印刷方式によっても変わってくるが、基本的にズレは発生してしまうとのこと。 カードゲームを作るにあたって、

  1. 表面の印刷
  2. 裏面の印刷
  3. 切り抜き(裁断)

の3工程があるので、その間にズレが発生してしまう。
また、紙なので気温や湿度にも影響される。
ただし、最悪の場合でも印刷ズレは0.5ミリ以内に収めるとのこと。
ズレを発生させないポイントは裏面の印刷時にどれだけ表面に合わせられるかが勝負なのだそうです。 また、カード側面の色移りによるガン牌を抑制するために、裁断時は裏面から表面に向けてプレスカットをすると
比較的色移りを抑えることができることも教えていただきました。

作った作品を一般流通にのせることは可能?

萬印堂さんでバーコードを持っているので一応可能とのこと。
基本、小ロットの場合は置いて欲しい店舗(イエローサブマリンとか)に物を持って行って店長に頼めば大体おいてくれるとのこと。


参照HP:すごろくや
ただし、すごろくやさんは店長が気に入らないとおいてくれないので頑張って店長が気に入りそうなゲームを作るように(笑)

面白いアナログゲームの作り方は?

頑張って考えて下さい(笑)


最後に

まえまえからアナログゲームの作成に興味があったので非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。
萬印堂さんではアナログゲームの印刷の他に萬印堂オリジナルゲームやアナログゲームプレイ時に使えるちょっとした小物(ダイスタワーやカード立て)の作成も行っているらしく、
帰る際には木製カード立てをおみやげとして頂きました。


  

 

※1 裸トマトについて詳しく知りたい人は →  裸トマトについてまとめてみた
※1の補足 : 最初クックパッドで「裸トマト」のレシピ(?)投稿した時は次の日にはgoogleで「裸トマト」1位を獲得できていたのですが、ネイバーまとめで記事作っても一向に検索結果に出てこない(涙
※更に補足 : リサーチのY氏の活躍により現在Googleで「裸トマト」1位!