Speee DEVELOPER BLOG

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役割の越境には、縦と横があるんじゃないかという話

※この記事は、2025 Speee Advent Calendar 23日目の記事です。昨日の記事はこちら


こんにちは。Speeeのレガシー産業DX領域で中途採用をしている菅沢です。

最近、「役割を越境する」という言葉をよく見かけるようになりました。

私自身、営業・マーケ・PdM・HRといくつかの役割を経験する中で、役割を越境しながら仕事をしてきたタイプだと思っています。 その中で、役割を越境したことで前に進めた場面もあれば、逆にうまく噛み合わず、遠回りになってしまった経験も少なくありません。

この記事では、そうした失敗も含めた体験をもとに、
「役割の越境」をどう捉え、どう付き合っていくと良さそうかを整理します。

具体的には、
役割の越境を「横」と「縦」という2つの視点で捉え直しながら、
これまで自分なりに悩み、考えてきた経験をもとに、

  • AI時代になって、役割の越境がどう変わってきたのか
  • 役割を越境する中で、成果につなげるために大切だと感じていること

を整理してみます。

目次はこちら

役割の越境の2つの方向性

役割の越境には、縦と横の2つの方向性 があると考えています。

横の越境は、
いまの成果の出し方を前提に、その中でできることや関与する範囲を広げていくことで成果を動かしにいくことです。

たとえば、営業が新規だけでなく一部既存顧客対応まで担ったり、PdMが一部開発を引き受けたりと、既存の役割分担を前提に、前後の工程に手を伸ばしていく動きが横の越境に当たります。

縦の越境は、
そもそも成果がどのように生まれているのかを問い直し、やり方そのものを変えることで成果を動かしにいくことです。

たとえば、
「この役割分担のままで本当に成果は最大化できているのか?」
「いま前提にしている進め方自体が、ボトルネックになっていないか?」
といった問いを立て、
進め方や役割分担を組み替える判断をしていく動きが、縦の越境に当たります。

前提として、どちらが優れているという話ではなく、どちらも重要だと考えています。

AIは「横の越境」を一気に加速した

こうした役割の越境を取り巻く状況を、大きく変えたのが AI の存在だと感じています。

AIの普及によって、特に横の越境は、これまでと比べものにならないほど取り組みやすくなりました。
たとえば、
営業パーソンが営業時に提案のために分析担当者と連携する必要があったものが、AIを使って単独でできるようになったり、
PdMが部分的な機能であれば、単独で企画から実装、リリースまで持っていけたりと、
これまで越境しづらかった領域が、一気に手の届く範囲に入ってきています。

AIによって、できることが増え、新たなやり方で価値を届けられるようになったという、良い変化だと感じています。
実際、社内でも一人ひとりの業務カバレッジが広がり、より多様に成果を出せる場面が増えています。

一方で、横の越境が容易になったからこそ、さらなる伸びしろがはっきりしてきたように感じます。

AIは、横の越境を後押しする道具としては非常に強力です。
今の役割や進め方の延長線上での、成果に向けた打ち手を増やし、スピードを上げ、
ときには「この取り組み方は本当に適切なのか?」と問いを立てるところまで支援してくれます。

ただし、

  • 実際に取り組み方を変えるという意思決定を行うこと
  • 意思決定の最終的な成果やその過程でのトライアンドエラーの責任を引き受けること

までは、AIが代わりにやってくれるわけではありません。

だからこそAI時代の役割の越境では、
「成果に向けた手段をどれだけ持っているか」だけでなく、「成果がより出やすくなるように、その構造を更新できるか」が問われていると感じています。

成果が出る構造へと磨き直していけるかどうか という縦の越境は、人が担う必要があり、
そこが、AI時代の役割越境における成果創出のポイントになるのだと考えています。

縦の越境をどう加速させていく?

では、縦の越境はどうすれば加速していくのでしょうか。

逆説的なのですが、縦の越境を加速するうえで、実は横の越境が重要なのではないかと考えています。

縦の越境について、冒頭で示した内容を改めて振り返ると、

縦の越境は、
そもそも成果がどのように生まれているのかを問い直し、やり方そのものを変えることで成果を動かしにいくことです。

こうした振る舞いは、机上で考えているだけでは、なかなか成果につながりづらいと思っています。
現場の制約や実態を踏まえないままでは、
やり方を変えるアプローチをとったとしても成果につながりづらい傾向にあるからです。

横の越境として実際に手を動かし、前後の工程や現場のリアルに触れていくと、

  • どの要素で成果が決まっているのか
  • なぜ今の役割分担や進め方になっているのか
  • 何を変えると、どこに歪みが出るのか

といったことが、具体的に見えてきます。

こうした解像度があってこそ、
「どこを動かせば成果が変わるのか」「どう動かしていくのがよいか」という芯を食った打ち手が見え、構造を動かす縦の越境へと踏み込めるようになると考えています。

AIは、横の越境を圧倒的に後押ししてくれます。
だからこそAI時代においては、
横の越境によって得た“解像度”を、単なる理解で終わらせず、構造を変える意思決定にまで昇華できるかどうかが、重要になると感じています。

良い事例として、直近のTechBlogで公開しているリフォームDXの佐藤の取り組みがあります。
実際の現場に泥臭く入っていきながら、現場の解像度を高め、高い解像度をもって適切な成果定義をしていった取り組みで、社内で横目にとても良いなと思っていました! やっと記事として公開できて嬉しいのでPRです📢

tech.speee.jp

横→縦をどう繋いでいくのか?

正直なところ、ここまで整理してきたような、横→縦の越境の連動を、私自身がいつも上手くやれているかというと、全然そんなことはありません。

実際には、

  • あれもこれもできるようになってきたけれど、成果が大きく伸びず、どこか停滞感がある
  • できることが増えた結果、ただひたすら忙しくなってしまう

といったアンチパターンに陥ることも多々あります。

横の越境に没頭するあまり、
「どこで構造を問い直すべきか」という切り替えのタイミングを自分でも見失ってしまう、
という状況になることも、少なくありません。

こういった状況で切り替えを行う上で、助けられている「問い」があります。
社内のメンバーが以前私に何気なく問いかけてくれたものなのですが、

  • この取り組みの100点満点中200点はなんですか?どうしたらいけますか?

という問いです。

この問いを向けられてその時の私がハッとしたのは、 自分の思考が「今の前提の中で100点を出すこと」に、かなり固定されていたということです。

「100点満点中200点を出すには?」と考え始めると、

  • そもそも、この取り組みで狙いたい最大の成果は何なのか?
  • いまの成果の上限を決めてしまっている構造的なポイントはどこにあるのか?
  • そこを動かすために、一番重要なことは何で、逆に捨ててもいいことは何なのか?
  • 本当に重要なポイントを自分は握れているのか?そこに一番頭を使えているのか?

といった問いが、自然と立ち上がってくるようになります。

「100点満点中200点を出す」というのは、単にできることを増やす、というアプローチではありません。

そもそも200点の成果は何かを設定し、成果に向けて、何をあえて手放し、どこに責任を寄せ直すのか、
そんな判断を迫ってくるいい問いだと感じています。

この問いは、そうした発想に切り替えるきっかけとして、とても使い勝手がよく、
今でも自分の中でセルフ問いかけとして、何度も使っていて、私を助けてくれています。

まとめ

AIによって、横の越境は、これまでよりずっと取り組みやすくなりました。

同時に、AI時代に強く問われるのは、
高まった解像度をもとに、どこを動かせば成果が大きく変わるのかを見極め、踏み込む縦の越境だと感じています。

横に越境して出来ることを増やすだけでは、成果は頭打ちになるってしまうのには注意したいポイントです。 AI時代によって、取り組みやすくなったからこそより注意したいと考えています。

横に行き過ぎてるんじゃないか?に気づくための問いとして、
「100点満点中200点を出すには?」という問いは、個人的に非常に気に入っており、この記事を読んでいただいている誰かの役に立つこともあると良いなと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事が日々の仕事の中で、役割の越境とどう向き合うかを考えるヒントになれば嬉しいです。


Speeeでは、AIを使って「できること」を増やすだけでなく、
現場に入り、解像度を上げ、成果が生まれる構造そのものに踏み込んでいくことを大切にしています。

そうした役割の越境に向き合いながら、
「どうすれば本当に成果が変わるのか」を一緒に考え、試し続けていける仲間を募集しています!

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