※この記事は、2024 Speee Advent Calendar 6日目の記事です。
昨日の記事はこちら:
どうも。デジタルトランスフォーメーション事業本部 (以下、DX事業本部)エンジニアリングマネージャーの石井です。
今回は我々が日々大切にしている「目的思考」のようなバリューを開発組織全体で体現するために、私が取り組んでいることを言語化できればと思います。
常に目的を見失わずにいたい、目的志向開発を目指して
DX事業本部では「DX Democracy」を掲げ、デジタル化による恩恵を受けにくい不動産売買、リフォーム、介護などの領域に対して、エンドユーザーから事業者までの一気通貫した価値提供を行ない、エンドユーザーに良質な顧客体験を届けることを目指しています。
多くのステークホルダーが絡み合うバリューチェーンの中で価値提供を行うために、我々は複雑で難しい課題に対峙していきます。そういった中で常に目的を見失うことなく、真因を探りながら本質的な課題解決を推進していきたい、そんな想いで「目的思考」を大切な組織のバリューとしています。
日本を代表するDXカンパニーを目指し、ブランドステートメント「DX Democracy」を策定
開発組織においても当然、目的思考を大切にしており、弊社のエンジニア採用メンバーも過去記事にて以下のように表現してくれています。
エンジニアでありつつ、ビジネスパーソンとして、目的思考を強く持っているところです。エンジニアは「技術を使う」という非常にスペシャリティの高い役割だと思いますが、自社のエンジニアが圧倒的に違う点は、何よりも目的ファーストで、課題の見極めができているか、打ち手が適切か、その目的が本当に達成できるか、ということを技術という枠組みを取っ払ってとことん深堀ります。
一般的に、道具をこよなく愛するというエンジニアの素晴らしい特性があると思うのですが、自社のエンジニアは、道具を愛しつつも、手段を目的にしない(時には「それって技術で解決しなくてもいいのではないか?」という問いが投げれる)。なんとなく作るというぬるさが一切ないことです。
ここで個人的には「技術力が高いエンジニア」の概念にアップデートがあり、「技術力が高い」要素というのは様々なものがあり、高度な技術を使うことに限らず、目的の理解と手段の駆使ができること。ここが彼らの強みなのではないかと思います。
もちろん、手段の駆使をするためには高度な技術力も必要で、道具を愛すことも大事だと思います。
まさに「我々はこういう集団でありたい」という文化を言語化してくれていて、非常にありがたいです!
とはいえ、このようなバリューを常に組織全体で見失わないように体現し続けることは非常に難しいです。
特に我々は水準の高い目標を掲げ、強度高く実行を積み重ねることを強みにした組織でもあります。人間、どうしても目の前のテーマに集中していると、中長期でありたい姿や目的に立ち返る余裕がなくなっちゃう時ってありますよね。
少し極端な例ですが、プロダクト開発の場合、
- 事業戦略に基づいて、プロダクトの方向性を決め、直近の月、クォーター、半年の開発計画、開発施策を決める
- 開発計画を達成しようと本気で開発を推進する
- 本来であれば施策をリリースする中で、仮説検証が進み、施策の目的がアップデートされるべきもの(目的思考で課題を捉え直すべきもの)もあるはずだが、「どうすれば積んだ施策を完遂できるか」に全員が終始してしまう
- 施策積み上げ型の開発スタイルへ...
みたいなことが非常に起こりやすいと感じています。
さらに難しいのが、目的思考を私が直接開発に携わっていないチーム含めた全チームのリーダー、メンバー全員に体現してもらうことです。
私個人であれば、これまで自身がプロダクト開発をしてきた中で大切にしてきた暗黙知、形式知的なものと現状を比較して、違和感を感じた時に立ち止まるといったこともまだ可能かもしれません。
しかし、組織全体で体現していくとなると、さらに難度が上がります。
開発組織全体で目的思考を体現するために取り組んでいること
開発組織全体で目的思考を体現するために、私が取り組んでいることは主に以下です。
- 私自身が暗黙知的なものを言語化し、メンバーに伝え続けること
- どのような場面でどのように目的思考を体現すべきと考えているか、体現してきたか
- 各リーダーに大きな機会を与え、挑戦してもらう中で壁にぶつかった時に自身が大切にしてきた考え方をベースに差分を対話すること
- 目的思考に立ち返る問を投げかけること
- リーダーにも暗黙知的なものを言語化してもらうこと、それを周囲のメンバーにも発信してもらうこと
- その結果、そのメンバーもリーダーの背中を見て追体験を積み、未来のリーダーになっていくこと
SECIモデル の構造を意識していて、「我々開発組織はこうありたいよね」という文化のようなものに求心力がついていくイメージを持って、日々メンバーと向き合っています。
私自身が暗黙知的なものを言語化し、メンバーに伝え続けること
まず私自身が体現できていないと話にならないので、頑張ります (できていなかったら率直なフィードバックをよろしくお願いします)。
そして、例えばこちら のように私自身が大切にしてきたこと、組織のみんなで大切にしていきたいこと、ありたい姿を言語化し、発信していきます。ブログに限らず、社内ドキュメント、日々の1on1、採用場面での面談・面接、あらゆる場面で繰り返し言葉にします。
各リーダーに大きな機会を与え、挑戦してもらう中で壁にぶつかった時に自身が大切にしてきた考え方をベースに差分を対話すること
私からなんとなく良いことを言われるのと、メンバー自身で成果を追う過程で試行錯誤したり、失敗したり、壁にぶつかる中で必要なことをインプットするのとでは学びの質が違います。
例えば、若手リーダーがチームの開発成果責任を持ち、藻掻く中で積み上げ型の開発スタイルに陥ってしまっているとします。私は日次や週次など適切な頻度で状況の報告をもらっているので、その時に「我々のありたい開発」と照らして違和感を感じる時にその違和感を率直に伝えます。
- まず「いかに早く今積んでいる施策を完遂できるか」「計画を完遂できるか」を考え続け、頑張ってくれていてありがとう
- ただ「その施策をやりきった結果、事業としてプロダクトとしてどういう状態を目指していたんだっけ?」
- 「顧客、ユーザにどういう価値や体験を届けたいんだっけ?どんな課題を解決したいんだっけ?」
- 「事業として、どういう仮説を最優先で検証したかったんだっけ?」
こういった問を常に投げかけることで、各リーダーに「我々のありたい姿と照らして現状を評価し、課題を捉え、成果を最大化するにはどうするか」を考え続けてもらうようにしています。
リーダーにも暗黙知的なものを言語化してもらうこと、それを周囲のメンバーにも発信してもらうこと
そして、ひたすら組織全体で学びのサイクルを回していきます。
例えば
のように各リーダーにも学びや大切にしてきたことを改めてブログや後輩間の振り返りMTG等の場でガンガン言語化してもらいます。そうすることで、それを見た後輩が我々がありたい方向に求心され、体現するために成果を出し、さらに機会を取りにいく。そして同様に藻掻き、新たな学びを資産として蓄積していってくれます。
またそういった自身の学びを言語化する上で最高の機会となるのが「採用活動」です。我々は新卒の候補者の方向けに事業立ち上げを擬似体験していただけるインターンシップを開催していたり、候補者の方に弊社の魅力を伝えるためにカジュアル面談をめちゃめちゃやっていたりします。
そういった場面にエンジニアメンバーにどんどん参加してもらって、自分なりの言葉で我々の組織の魅力、「ありたい姿」を言語化してもらう。全員採用は組織全体でありたい姿に向かう上で非常に重要な取り組みであると考えています。
実際に、過去インターンに参加してくださった候補者の方が以下のような記事を率先して書いてくださいました (改めて、本当にありがとうございます)。
https://qiita.com/anan-k/items/93d0f22f23aaa5b042ab
我々が大切にしていることをインターンで候補者の方とともに体現し、それが伝わった一例と言えると思っています。こういうサイクルの積み重ねを作っていきたいんですよね。
結び
ありきたりですが、「自分たちがありたい姿に整合した行動の積み重ね」によって文化というものは作られていくと思っています。
引き続き、皆で「エンジニアリングの強みを活かして、顧客に価値を届け続けたい」そういった目的を常に見失わず、皆で成長していきたいです!
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