Speee DEVELOPER BLOG

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事業会社マーケターが陥りがちな成果創出のアンチパターン

※この記事は、2024 Speee Advent Calendar20日目の記事です。昨日の記事はこちら tech.speee.jp

みなさんこんにちは。

2021年に新卒で入社し、現在はすまいステップという不動産一括査定サイトのマーケティングを担当している八重樫(@yegs_)です。ポーカーが好きです。

入社から一貫してマーケティングに携わっており、中でも広告運用、グロースハック等のプロモーション領域に(たまに溺れながら)潜っている人間です。

今回の記事では、目標達成を阻むアンチパターンについて、ご紹介していきます。

↓社会人1,2年目に書いたアドベントカレンダー記事はこちら tech.speee.jp tech.speee.jp

私たちが取り組んでいる事

※本題に移る前に、現在私たちが取り組んでいる事と向き合っている課題を明確にした方が、内容が伝わりやすいと考えました。

私が所属しているすまいステップは、不動産売却を検討している売り手ユーザー様と買い手ユーザー様を抱えている不動産会社様をつなぐ、いわゆるBtoBtoCのマッチングプラットフォームになります。

2020年にサービスを開始してから、右肩上がりに成長を続けており、直近では、不動産のミカタ社の所有権移転率調査でNo.1を獲得するなど、本気で売却を検討しているユーザー様に価値を感じていただいていると自負しています。 prtimes.jp

私たちマーケティンググループは、主に不動産売却を検討している売り手ユーザーに「デジタルで快適な売却体験」を届ける事がミッションになります。

具体的には、質の高いコンテンツの拡充により不動産売却に関わる情報取得を簡単にしたり、UIUXの改善により取引体験を簡単にしたりと、エンドユーザーの付加価値向上のための動きを各マーケティング領域・営業チーム・開発チームとの連携をしながら事業推進する事が業務になります。

向き合っている事業課題

課題①:マーケティングにおける競争環境の激化

前述の通り、マーケティンググループの主なミッションは、売り手ユーザーに対する売却体験の最大化になります。そのため、まずは売り手ユーザー様にどれだけリーチができているか?が重要です。

不動産売却を検討し始めた時に、従来であればチラシやDM、近所の不動産会社に直接足を運ぶのが普通でした。ただ直近では、売り手が自らインターネットで情報収集をするようになり、不動産売却のオンライン化が進んでいます。

そのため、これまでチラシやDMなどのいわゆるオフライン集客に投下されていた莫大な広告予算が、SEOやWEB広告といったオンライン集客に流れます。ネット化が進んでいるとはいえ、青天井な訳ではもちろんないため、事業者が増えれば増える程、マーケティングによる競争は激化していきます。

つまり、本気で売却を検討しているユーザーという限られたパイを、財閥大手や一括査定サイト各社が奪い合っている構造であり、ここの競争に負けると、そもそもリーチできていないので、デジタルで快適な売却体験を提供する事が不可能になります。

もちろん、私たちが目指している世界観を実現させることはできません。

課題②:産業構造による情報の非対称性

また、不動産売却というものはその特性上、一生に何度も経験する訳ではありません。

そのためリテラシーが成熟しておらず、不動産会社等の各ステークホルダーとの情報の非対称性が生じやすく、本当に自分に合った不動産会社なのか?がユーザーが自分自身で判断する事はできません。

そのためユーザーの立場としては、「よく分からないので、何となく知っている会社に話を聞いてみよう」にと考えます。そうなると、ユーザー様の口コミ評判などの集客アセットが大手など限られた企業に集約されます。

無形商材でもあるため、個社毎の違いも分かりづらく、あえて別の企業を選択するインセンティブも生まれにくく、元々歪だった産業構造の歪さがさらに深まります。

マーケティングにおける競争環境の激化 → 莫大な予算を持つ企業のみがユーザーにリーチ可 → 特定企業のみの口コミや評判が集まる → その他個社は選ばれない」といった負のスパイラルが起きます。

アンチパターンと対処法

前置きが長くなりましたが、伝えたいこととしては、私たちが向き合っている課題が難解かつ複雑である事です。

そのため、普通に頑張ろうとすると大体水準が足りておらず、上手くいきません。上手くいかない時に重要なのは、自分が全然上手くいっていないとメタ認知する事だと考えております。

人間は生産的な生き物なので、上手くいっていないと自覚している場合は、どうにかしようと試行錯誤します。ただ上手くいっていないと自覚していない、あるいは、根拠はないけどきっと上手くいくはずだと考えている時は、目標達成に対する危機感がないため試行錯誤が止まります。

試行錯誤が生まれないと、既存の延長線でしか仕事ができないため、次第に手なりの仕事をするようになります。そうなると、難解かつ複雑な課題に対して解決に向けたアクションができずに、成果が出ない状況が続きます。

成果が出ないと自分に自信がなくなり、目指す目標も縮小均衡になり、仕事が面白くなくなります。

そのため、こうなっていたら多分上手くいってない、と自覚できるアンチパターンを理解しておく事は重要だと考えています。

アンチパターン①:目標がいつまでも仮 or 適当

Speeeの目標設定は、基本的に半期単位になり、ここで決めた目標を達成するために頑張ります。半期の動き方を決める場になるため、ここを適当にするとまず上手くいきません。

本来であれば、前半期の段階で決め切った上で「よっしゃやるぞ」があるべきだと思いますが、半期末の追い込みや、計画策定のためのリサーチに追われ、目標を仮FIXのまま走り始める事があります。

走り始める分には大きな問題ではないのですが、その際にずるずる後ろ倒しになると、負のスパイラルに突入します。人間は弱い生き物なので、目指すべきゴールがないと無意識のうちに出力が落ちます。

出力が落ちると仮説検証の数が落ち、仮説検証の数が落ちると新たな気付きや発見の数が落ちます。新しい気付きや発見が生まれないとオペレーションのアップデートがされなくなり、課題解決に必要な実行水準には遠く及びません。

そのため、できる限り早く目標を定めて、どこを目指しているのか?に即答できる状態にする事が大切だと考えています。

アンチパターン②:先行事例のリサーチが前提にない実行計画を立てている(机上の空論)

目標が決まっても、もちろんそれで終わりではありません。どうやって達成するか?の実行計画を立てる必要があります。

結論、自分たちより上手くやっていそうな先行プレイヤーを見るのが早く、どのような絵を描いていそうで、そのためにどの時間軸で何をしているのか?を徹底的に調査の上で進める事が確度が高いと感じます。

計画を立てる上でよくある問いとして「本当にいけるのか?」ですが、本当にいけるかどうかは大体分からないし、それは自分に限らず上司も誰も分かりません。

だからこそ、何をしてどのような結果が出たのか?が分かる先行事例は貴重です。そこをなしには競合企業より早く、つまり、未来を引きよせる事はできないはずです。

また、先行事例をベースにすると、実は上手くいっていない事実に気付く事ができます。

上手くいっていないと気付けるのであれば改善活動ができますが、基本は足りていない事を認知できていないまま、気付いたら負けているケースがほとんどです。例えば、先行プレイヤーが3ヵ月で実現している水準を、6ヵ月でやっていたら一生追い付きません。そうなると、未来を引きよせるどころか、前から押し寄せる未来に飲まれる事になります。

そのため、良し悪しの基準を内にとどめずに、外に目を向けた上で「競合よりも価値提供の総量を上げられているか?」を物差しにする事が大切です。

アンチパターン③:取り組みの評価タイミングが遅い

目標が決まって、実行計画が決まったら、後はやるだけになります。ただし、やったらそのまま目標達成になるケースは基本的になく、決めた計画は大体上手くいきません。

  • 想定の改善幅に全然届いておらず、そのまま施策を増やすとキャパオーバー
  • 向かうべき方向を間違えており、全然数値に動きがない

とにかく上手くいかないので適宜評価の上、仕切り直しをする必要があります。何故上手くいかなかったのか?当初想定していた仮説とのズレはどこなのか?など振り返ります。

ここの評価が遅くなると、実は現状の仮説が怪しい事に気付かず、無駄な時間を過ごす事になります。人間は弱い生き物なので、自分の計画の正当性を証明したくなります。

本当に評価するのは上司ではなく、市場である認識を持って、歯を食いしばってアップデートし続ける必要があります。

まとめ:「解き尽くす。未来を引きよせる。」仕事ができる環境

私はSpeeeに入社して間もなく4年が経ちますが、入社して良かったなと思っています。解き尽くして、未来を引きよせられる環境は、ビジネスマンの挑戦環境として刺激的で面白いです。

新卒4年目にもなると、新卒の頃の角度よりも成長が鈍化し、このままでいいのかなとふと思う瞬間があると思います。もちろん私もそのうちの一人でした。

ただ、上記アンチパターンを認知できる位には挑戦し続けられる環境がSpeeeにはありますし、そのおかげで私も頑張れているなという感覚があります。

個人としてもまだまだ未熟ですし、事業としても目指すべき状態にはほど遠いので、ここからまた張り切っていきます。

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