デザイナーの南です。
Speeeは11月29日で設立10周年を迎え、先日社内で記念イベントが行われました。
当日の様子は代表の大塚のブログでも詳しくレポートしております。
speee-blog.jp
当日は役員から手渡しでTシャツが全社員に配られ
オリジナルのタンブラーも配布されました!
このノベルティの制作に関わらせてもらったのですが、デザイナーとノンデザイナーが共同で制作作業をする際の基本的なコミュニケーションにおいて気をつけたいことについてまとめました。
タンブラーの制作
キックオフMTG
イベント本番まで押し迫っていた10月某日、第一回目のMTGがもたれました。ノー準備で挑んでしまったデザイナーの私…。広報の方、クリエイティブ責任者の方の3人で15分のブレストを行い、その結果以下の3案が出ました。
A案:アール・デコ風のデザイン案
B案:シーラカンスをモチーフにしたイラスト案
C案:ITやWebを表現したアイコンを散りばめたイラスト案
代表にもデザインの方向性について意見を聞き、この中から1案を選ぶことになりました。
POINT
アウトプットに何かデザインする作業が必要そうだなと思ったら、まずはデザイナーに相談してみよう!絵をつけたり手を動かして物を作る作業は最後の工程だから後から相談すれば…という考えは捨てよう(重要)キックオフは早い段階なら早い段階であるほど良い
デザインの方向性を決めるMTGでは精度が低くてもアウトプットを持ち寄って進めるとお互いのイメージが膨らんで良いので準備をしておこう!紙にペンで書いたものや、イメージが伝わるのであれば既存のものでも良いぞ
方向性の決定
最終的にアール・デコ案で方向性が決まり、ここからデザイナーの私がラフデザインを作成することにしました。
POINT
- 決裁者にご意見を聞くのは重要。しかしアウトプットが見えていない状態で口頭でコンセプトを説明することは、受ける側にとっては最終的な仕上がりをイメージしにくいためにストレスにもなるし、双方のアウトプットに対する齟齬をうむ可能性もあるので慎重に進めよう!
アール・デコとは?
アール・デコは100年ほど昔、ヨーロッパやアメリカを中心に流行、発展した装飾の様式です。幾何学図形をモチーフにしていたり、直線や円弧、シンメトリーを使った構成が特徴的です。 Freepikによるデザイン
建築の分野だとニューヨークのエンパイアステートビルやクライスラービルなどが有名ですね。
コンセプト
- アール・デコは100年の歴史があるが、古くて新しい。今日でも使い続けられているデザイン様式である
- アール・デコは一般的に洗練・モダンといった印象を与える
- Speeeは今年で10周年だが通過地点であり、今から100年後も続いてほしいという願いを込めている
- 流行に流されず、100年続いても古びないアール・デコのエッセンスを取り込みつつ、Speeeらしさとイベントらしい楽しさや華やかさをプラスしたい
それを踏まえてできたラフ案その1
…ちょっと寂しいのと、アール・デコ様式にこだわったせいか直線が多く、黒さや押し出しが強いデザインになってしまいました。 クリエイティブのメンバーからもフィードバックをもらい、もう少し柔らかくするために手書きのイラストをプラスすることにしました。
POINT
- 最初のアウトプットは速ければ速いほどいいぞ!一回作ってから客観的な目で自分の作ったものを俯瞰して見てみよう。デザイン案が当初のコンセプトに対しての回答になっているかどうかはデザイナー以外の周りの人もぜひ意見してみよう。
イラストを追加する
- Speeeらしさ
- Speeeが今まで手がけてきた事業、現在手がけている事業
- 未来を変えていく技術や、それに影響を受けるであろう産業
この3つの要素からブレストをして、なるべく具体的なモチーフのアイデアを出していきました。もちろん最終的な絵の座りの良さなども考慮に入れます。
イラストはiPad Pro+Apple Pencilで制作。簡単なイラスト制作ならこれだけで済むのが嬉しいですね。ブラッシュアップして下記2案を作りました。
A案
今度はイラストを強調したためにアール・デコ感が薄まってしまいました。ここで初志を曲げると大抵うまくいかないのでコンセプトに対してデザインがきちんと答えられているかどうかは常に見直す必要があります。
B案
イラストをメインに据えたデザインも対案で出してみました。A案に対して違う角度から対案を出すと結果的にメインの案の精度が高くなることもあります。
2つの案をレビューしてもらい、以下の点を修正しました。
- イラストを取り入れつつ、アール・デコテイストをより強調するために罫線やシンメトリー構成、象徴的なタイポグラフィを追加した。
- イラストの量を増やし、密度とお祝いムードを増やした。
- 線の太さを調整して密度があるが暑苦しくならないようにした。
そして完成
入稿形式に合わせて調整し、タンブラーのカラーを選んで無事完成!
Tシャツ
タンブラーができて一安心…と思っていたら、実は、Tシャツも作ることに決まっていたのでした。当初はタンブラーの絵柄をそのまま転用するつもりというプランを企画側から聞いていたのですが、やはりそのままではデザイン的に座りが悪かったのと、Tシャツ印刷にするには線が細すぎたこともあり、線幅を調整してTシャツ用にレイアウトしなおすことにしました。そうして出来上がったデザインがこちら。
地の紺色に合わせて線を白に指定しました。
POINT
- 作ったデザインは他にも流用すればいいや、という考えは、非常に危険!デザイナーはイラスト1点であっても掲載する媒体や形式によってそれぞれベストの見た目を考えて作成するので、作ったデザインがどこで使用されるかはしつこいくらいにデザイナーに伝えるようにしよう!
まとめ
- 何か視覚的なものを作る際にはデザイナーに最速で相談しよう。予算やスケジュールなどもざっくばらんに共有しよう
- 入稿形式や作るものの制約は事前に共通認識を持っておこう
- 作ったデザインを他所に流用するのは厳禁!掲載する媒体やサイズをデザイナーに伝えて、適切なものを作成しよう
- コンセプトがイケてないと見た目のデザインがそれ以上によくなることはありえない。最初に関係者全員が納得いくようにしっかり考えよう
デザイナー側からするとなんで作るものの情報が決まっていないんだ…!とかスケジュール短すぎるだろ…!とか思う局面もありましたが、デザイナーからも制作上のネックになりそうな箇所を前もってメンバーに伝えておくことが大事なんだとつくづく思いました。デザイナーもノンデザイナーもお互いに良いものを作るためにできることがたくさんあるので協力しあえると良いですね。
関係者の皆様、本当にお疲れ様でした!