こんにちは。開発部 R&D グループの村田 (mrkn)です。
2/1 より株式会社 Speee で働いております。所属部門の名称に R&D とあるように、役割は研究開発です。特にオープンソースソフトウェアの開発、データ活用の取り組み、社の技術レベル向上のための取り組みを担当します。後者においては、エンジニアの是澤、顧問の井原、藤とも協力して進めて参ります。
なぜ Speee に入社したか
私が Speee への入社を決めた理由は大きく3つあります。
1つは、Ruby のエコシステムの発展に貢献するための活動が主務になるポジションを用意していただけたこと、そして、その活動が Speee の技術にダイレクトに良い影響を与えられることです。
私はこれまで CRuby のコミッターとして bigdecimal ライブラリのメンテナンスなどに従事してきました。加えて、昨年から取り組み始めたデータサイエンスのプロジェクトもあります。これまでプライベートの時間を削ってやってきたこれらの活動に業務として取り組めるようになるので、私は無理をして家庭での時間を削る必要が無くなります。
次は人です。Speee から声がかかり、実際に会って話をする過程で、Speee (で|と) 仕事をしているエンジニアの中に尊敬・信頼できる知人が何人も居ることが分かりました。過去の同僚、一緒に遊んでいた友人、Ruby コミュニティーの仲間などです。話をする以前、Speee は私にとって謎の会社だったのですが、この知人の存在によって一気に信用が高まりました。
最後は待遇です。転職するにあたって待遇、特に年収が悪くなると、生活基盤を支えられなくなる恐れがあります。私には家族がいるため、この条件だけは自分一人だけでは決断できません。今回はそのような心配をする必要が無かったので助かりました。
Speee でやっていきたいこと
Speee では、オープンソースソフトウェアの開発、データ活用の取り組み、社の技術レベル向上のための取り組みをやっていきます。その中でも、オープンソースソフトウェアの開発について、私は次の2つに注力していきます。
- Ruby でデータサイエンスができる世界を実現する
- CRuby の開発への貢献
Ruby でデータサイエンスができる世界を実現したい
私は2016年に3回の国内カンファレンス *1 で、現在の Ruby がデータサイエンスに全く向いていない言語であることを発表しています。これらの発表は、Ruby を好きで使っている人たちに現状と、私が抱いている危機感を伝えることが目的でした。
しかし、単に危機感を煽るだけでは物事は前に進みません。そこで、カンファレンスの発表をしつつ、プライベートの時間を少しずつ削って調査と開発を進めておりました。この調査の成果は『データサイエンスにおけるRubyの現在の位置づけと可能性』として公開されています。
2017年はこのプロジェクトを進め、Ruby でデータサイエンスができる世界を実現させます。
CRuby の開発への貢献
これまでと同様、CRuby コミッターの一員として担当している bigdecimal のメンテナンスを続けます。
2017年は多くの時間を費やせるので、バグ修正だけでなく、これまでやりたいと思ってできていなかった以下の改善に取り組みたいです。
- 桁数の扱いをまともにする
- 乗除算の高速化
- 無限小数の導入実験
bigdecimal の開発に加えて、組み込み複素数クラスの改善、開発者会議のための会議室提供などもやっていきます。
まとめ
2/1 より、村田が株式会社 Speee 開発部 R&D グループに入りました。 今後ともよろしくお願いいたします。
株式会社 Speee は、まだまだエンジニアを募集しております。 美味しいコーヒーを飲みたいエンジニアの皆さん、ぜひこちらにお立ち寄りください。 Speee のラウンジで一緒にコーヒーを飲みながら談笑しましょう。
*1:東京 Ruby 会議、RubyKaigi 2016、RubyWorld Conference 2016 の3回