第一回目のSpeeeエンジニアブログの記事を担当させていただく
通称「お髭の錬金術師」です。
面白いこととビジネスに絡む事が大好きです。
以後、お見知りおきを。
軽く自己紹介をさせていただきますと、
過去モバイルを中心に公式サイト、勝手サイト、メディアからゲーム、
広告や検索エンジンなど幅広く開発を経験してきました。
そういった経験をベースとして、ビジネスを通じて学んだ技術情報やトレンドの技術情報などを発信していければと思います。
トラッキング技術とCookie
さて、今回のテーマですが、SpeeeといえばSEOということもありまして、
SEOで使うツールといえばAnalytics、
というわけでAnalyticsで使われている技術ネタを取り上げたいと思います。
サイトつくったり、メディア運営の経験のあるエンジニアならば
一度は導入したことがあるであろうAnalyticsのJavaScriptタグ。
そこには、解析する情報を取得するための“トラッキング”という技術が使われています。
それを実現するために主にCookieが使われることが多いのですが、
Cookieは利用方法によりファーストパーティCookieと呼ばれるものとサードパーティCookieと呼ばれるものがあり、アクセス解析や広告のトラッキングではサードパーティCookieが利用されることが多いです。
ファーストパーティCookieとサードパーティCookieの違い
簡単に説明すると、
となります。
現在アクセスしているドメイン名とCookieを扱うドメイン名が違うと、サードパーティCookieという扱いになります。
サードパーティCookieが利用される理由
サードパーティCookieが利用される理由としては、
ドメインの違う別サイトを利用したユーザがいた場合でも、同一ユーザとしてトラッキングすることができるから、ということがあげられます。
特に広告配信ではこの技術を使うことで、ユーザの行動履歴からよりターゲティングした広告の配信が可能になります。
でも、GoogleはサードパーティCookieを利用せず、ファーストパーティCookieを利用しています。
なぜAnalyticsはサードパーティCookieを利用せず、ファーストパーティCookieを利用しているのでしょうか?
その理由の一つとしては、サードパーティCookieは閲覧者やサイト運営者の以降を無視して、
行動ログが記録することができる技術でもあり、
個人の行動が特定されてしまうというプライバシーの問題があるからだと思われます。
ウェブブラウザとサードパーティCookie
ウェブブラウザ側では、サードパーティCookieの抱えるプライバシー問題を認識しており、
ブラウザの利用者に配慮して、サードパーティCookieをブロックする機能がついています。
SafariではAppleの強い意向により、サードパーティCookieがデフォルトでブロックされるようになっています。
Firefoxはこれまでブロックに関してはさまざまな意見があったものの、Firefox22以降はデフォルトでブロックされるようになりました。
IEに関しては2001年からサードパーティCookieの送受信をブロックされているのですが、
P3P(Platform for Privacy Preferences)をヘッダー情報に入れることで利用できるようになるため、実質はデフォルトでブロックされていない状態です。
ウェブで使用される技術の標準化団体であるW3Cが策定したポシリーです。
「このCookieはなんのために利用していて、どのようなポシリーを持って運用していますよ」という情報になります。
HTTPのヘッダー情報として、P3Pに関する情報を付与するだけでサードパーティCookieが利用可能になります。
ただし、よくある技術サイトなどで書かれているP3Pの情報をコピペしただけでも動作してしまうため、現在ではこのポシリーは形骸化してきているのが実情です。
トラッキング技術の抱える問題
このようにトラッキング技術は個人特定される危険性があるため、プライバシーの問題が生まれてきて、その対策としてウェブブラウザ側も対策を講じたりしています。
そういった経緯もあり、今ではサードパーティCookieとファーストパーティCookieを選択できるアクセス解析もあったり、
GoogleAnalyticsのように最初からファーストパーティCookieを利用してトラッキングしていたりするものもあるようです。
では、ファーストパーティCookieをつかって、どのようにユーザを特定してトラッキングしアクセス解析を実現しているのでしょうか?
それは次回の僕のブログ記事にて、ご紹介したいと思います。