RubyWorld Conference 2017 (2日目)

こんにちは。いつも集合写真のタイミングでブースにいない系エンジニアの森岡です。 RubyWorld Conference 2017、2日目のレポートをさせていただきます! 2日目は教育系のセッションが非常に多く、小学生から社会人まで、様々な立場の方のRubyに関する教育内容が聞ける1日でした。

基調講演

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基調講演は角谷さん(kakutani)から、Ruby Is Nice so We Are Niceというタイトルでお話しがありました。

話はまず、Rubyという言語でのプログラミングの持つ素晴らしさから始まります。Rubyは書く楽しさを最大の価値とおいて作られた言語です。Rubyは言語単体だけでなく、ライブラリやフレームワーク、ツール、アプリケーションそれぞれが、Rubyを使う人達にとってより良いものを持ちよって、より良い成果を生み出すエコシステムができています。それによってRubyという言語はより楽しく開発することができるようになっています。

そして、普通のプログラマーがRubyのナイスさを伝えるためにできることのお話しに移ります。Rubyがプログラミングの楽しさをプログラマーに伝えてくれているように、僕たちも仕事の楽しさを受け手の心に再現しましょう。野生のソフトウェアであるRubyのナイスさを、人工的な環境であるビジネスでも再現していこう。そのためのアジャイル/リーンであるというお話しになりました。

僕たちが常日頃Rubyという言語から受け取っているナイスさを、ちゃんと自分たちの仕事でも再現しようというお話が、すごく印象に残るセッションでした。

発表資料: Ruby Is Nice so We Are Nice // Speaker Deck

Rubyインタプリタ開発者養成講座

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最初のセッションはクックパッド株式会社さんより、笹田 耕一(ko1)さんの発表です。 Rubyインタプリタ開発者を養成する取り組みとして、クックパッド社内で行ったHackaradeや、社外の人も呼んで開催したCookpad Ruby Hack Challengeについて、お話しされていました。 発表の中で 「初等中等でのプログラミング教育によって、今後エンジニアの母数自体は増えることが見込まれる。しかしながらシステムソフトウェア技術者になる人を増やすための方法が今のところ整備されていない。 コンピュータ業界にとってはシステムソフトウェア技術者を重要であり、そのための背中を押してあげたい」というお話しがあり、Rubyだけでなくコンピュータ業界全体を見据えたお話しをされているところが印象的でした。

発表資料: Rubyインタプリタ開発者養成講座 参考資料: GitHub - ko1/rubyhackchallenge

子供向けのプログラミング講座を1年続けたらどうなったか

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続いてのセッションは株式会社シーイーシーさんより、廣田 哲也さんの発表です。

発表では、静岡県牧之原市で「親子で始めるプログラミング」という講座を始めて、1年と数ヶ月。その成果や苦労話についてお話しされていました。 現在はプログラミング教育のスタンダードが存在せず、プログラムに対する理解度も子供によって異っており、一人ひとりの理解度や希望に合わせて個別にカリキュラムを作るしかない。 また、地方においては教育に使える環境(インターネットやPCなど)も整備されていない といった、地方におけるプログラミング教育の課題についてお話しされていたのが印象的でした。

「ルビィのぼうけん」翻訳から見る子どものプログラミング教育、イメージからRubyプログラミングへの階段

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3つめのセッションは、株式会社万葉さんより鳥井 雪 ( yotii23 )さんの発表です。 鳥居さんは「ルビィのぼうけん」を翻訳し、「ルビィのぼうけん」に関するワークショップも開催されてきました。 それらのご経験を元に、発表では「ルビィのぼうけん」から学べるものと、学べないもの。 プログラミング教育に必要なものと、これからの課題についてお話しされていました。 義務教育としてのプログラミング教育のあり方について、分かりやすく教えて頂けるセッションでした。

発表資料:「ルビィのぼうけん」翻訳から見る子どものプログラミング教育、イメージからRubyプログラミングへの階段 // Speaker Deck

京都女子大学でのRuby教育の取り組み

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4つめのセッションは京都女子大学より、丸野由希さんと道越秀吾助教授のお二人からの発表でした。 発表では京都女子大学におけるRuby教育の取り組みと、Rails Girls Kyotoの運営についてお話しがされていました。

まず、京都女子大学におけるRuby教育について、道越秀吾さんから発表がありました。京都女子大学は理系の学科が存在していません。 それにも関わらず Rubyを講義で教えています。Ruby技術者認定試験に合格する学生も数多く、上手く教育を進めるためのノウハウについて発表されていました。

続いては、丸野由希さんから、Rails Girls Kyotoの運営に関しての発表です。 Rails Girls Kyotoは、Ruby や Railsの初心者の方と一緒にチュートリアルを通して、Railsのアプリケーションを作ってみるというイベントです。 丸野さんはこのイベントの運営を務めており、多くの人にRailsを教えてきました。発表では、運営の方法やRails Girlsによって得られた知見などについてお話しされていました。

Rubyプログラマが育つ仕組み−Rubyでの受託開発を10年回してみて

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最後のセッションは、株式会社万葉さんから大場 寧子(nay)さんです。 内容は、万葉における新人研修について。これまで万葉の新人研修では、基本的にOJTが採用されており、メンターがメンティーのスキルに合わせて教育プランを考えていました。すると、アサインされたプロジェクトによってメンティーの学べる技術が変わってしまい、OJT完了後にどのようなスキルを持っているのか人によってばらつきが出てしまうという問題がありました。

そこで、有志が研修プロジェクトを一から設計しました。研修では、タスク管理を行うrailsのアプリケーションを作ります。実際の業務を踏まえて仕様はあえて曖昧にし、自分で仕様を検討して決めるプロセスも入れているとのことです。毎回同じものを作ることによって、研修終了時におけるスキルの均一化を図ります。また、副次的な効果として、先輩社員のレビューをメンティー以外の社員も見ることによって、社員全体が学習する機会となっているとのことです。先輩社員のレビュー結果を元に研修内容は毎年アップデートを重ねており、学習内容の網羅性や教材情報が集まることによって、より良い研修にするフィードバックループができているとのことです。

Closing Ceremony

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RubyWorld Conferenceの2日間を締めくる Closing Ceremonyでは、2日間のRubyWorld Conferenceの来場者、 全てのスポンサーの方々を紹介、登壇者の方々の発表の概要について丁寧にまとめてお話しされていました。

今年のRubyWorld Conferenceは、過去最高の参加者数で801人になったとのことです。 RubyWorld Conference運営の皆様、スポンサーの方々、そして参加者の方々、お疲れ様でした!